湖城の窓から「酪農業界、業況は前向き」
今週号の酪農記事「豪牛乳生産が減少、輸出入の逆転迫る」(7ページ)で報じているように、22/23年度に供給された乳製品加工用の牛乳供給量は、1990年代以降で最低の水準となりました。農業系銀行ラボバンクは、乳製品の輸出も減少したと報告しています。
一方で同銀は、現時点で牛乳供給は安定し始めたと指摘し、今後も順調に推移するとの見通しを示しました。弊誌でも先週掲載していますが、国内の牛乳生産量は昨年12月まで、過去8カ月連続で前年を超えています。かつて予想されていたほど乾燥しておらず、降水量も十分なため飼料も豊富にあり、投入コストも減少しています。酪農家の利益率は上昇し、業況は前向きとされています。
酪農家が牛乳の納入対価として受け取る生産者乳価は、これまでの数年間で過去最高値に達しました。牛乳生産量が減り続けていたことが最大の理由だった訳ですから、来シーズンは生産回復を受け下落すると予想されています。ただし、海外市場での乳製品価格を示すグローバル・デアリー・トレードの指標価格は、過去12回の競売で9回上昇と上げ基調です。これがどう影響するでしょうか。
6月に加工各社が発表する生産者乳価。昨年は下落予想も出ていた中で、実際には想定以上の値が付きました。ラボバンクは具体的な価格予想は時期尚早としていますが、来月頃から予想も示されるでしょう。注目です。(編集長)
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