湖城の窓から「首相辞任」
オーストラリアの今週の出来事で最も衝撃的だったのは、ビクトリア(VIC)州の首相を9年間務めてきたアンドリュース氏の突然の辞任ではないでしょうか。同氏は会見で「自分の仕事を嫌う状況には置かれたくなかった」と述べ、問題が山積していることが辞任の理由である可能性を示唆しています。
アンドリュース政権はこれまで、都市部の有権者を重視し、地方部を軽視する傾向があると指摘されてきました。2017年から22年まで連邦政府の農業相を務めたリトルプラウド国民党党首は「アンドリュース政権は農業に関心がなく、州の農業振興に注力していない」と述べています。また農業者連盟のヨシンケ副代表も、「アンドリュース氏の善政は、地方部に対する約束の反故で影が薄くなった」と厳しい評価です。
農業分野におけるアンドリュース政権の施策といえば、原生林の伐採停止の前倒しで業界が大混乱に陥ったことや、マレー・ダーリング盆地の水利計画における、理由が明確でない署名拒否が思い浮かびます。
後任にはジャシンタ・アラン氏が、1990−92年のジョーン・カーナー首相(労働党)以来2人目の女性首相として就任しました。
同州の林業界や農業界からは新首相に対し、地方コミュニティーとの関係再構築に期待が高まっています。(編集長)
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