地声人語・湖城の窓から- vol.499

【地声人語】

500と言うと、我が買い物でいつも買う豚肉の量を思い出します。精肉店で「豚バラを500グラムね」と言うセリフは、店員にも覚えられてしまいました。豚肉をバラで買うのは、豚の生姜焼きなどを作る日本人や中華系ですが、これまでは販売されていませんでした。筆者が行きつけの精肉店に豚肉を薄くスライスすればよく売れるよと提案したところ、実際によく売れて感謝されました。コンサル料が欲しいと思っています。(水原)

500 と言うと、我が高校時代に日本で500 円玉が初めて登場したのを思い出します。その時の社会科の老いた教師は「重くて嫌だ」と言っていたので吹き出しそうになったのを覚えています。100円玉などと比べ、500円玉が大き過ぎて重い、と言うのです。私は、両者の重さの違いなど全く苦にしない若者だったのです。その30 数年後の私は今、オーストラリアの硬貨で、50 セント硬貨が重くて嫌だ、と思っています。(西嵐)

500と言うと、我が息子が最近、Kマートで500 ページもある料理本を買ってきたのを思い出します。週末の夕食は私が担当しますが、しょうゆと酒とみりんの味付けばかりで、もう飽きたと家族が言います。言われてみれば筑前煮も煮魚も同じ味付けです。さすがに息子は見かねたのでしょう。しかしその料理本は、フルーツ寿司などエセ和食。オーストラリア育ちの息子よ騙されないでくれ、と思っています。(尋助)

【湖城の窓から】

「500号を迎えて」

ウェルスは2011年7月に、前身の豪州農業ニュースを引き継いで創刊号を発行しました。以来約10年にわたり多くの読者の皆様に支えられて500号を発行することができました。厚く御礼申し上げます。
ウェルス(Wealth)とは「財産、富、豊富な農産物資源」を表します。農産物資源に恵まれたオーストラリアの大地を表す誌名ですが、この10年で農産物の供給地としてのオーストラリアと消費地としての日本、という図式は様変わりしました。関係は一層深化し、日本の技術を用いてオーストラリアで生産、東南アジアの市場に進出するという形も見えます。両国とも輸出市場の多様化が急務という背景もあり、日豪の農産物ビジネスは今後、より連携を強めると私たちは確信しています。
現代のオセアニアの農業界ではアグリテックや農業投資など、農作物を生産するという従来の範囲を超えた、新たな視点も必要となりました。私たちはそれを踏まえ、当地唯一の日本語農業誌として、この地域の農業や食品業の今をお伝えすべく、より良い誌面づくりに励んで参ります。これからも弊誌ウェルスをどうぞよろしくお願い申し上げます。
(編集長・湖城修一)

【ウェルスのトリビア ~今週の紙面から~】

今週トップは創刊500号を記念した州政府駐日事務所座談会です。参加した州は東京に駐日事務所を置いているすべての州ですが、さていくつの州でしたか?(答えは記事中に)