第10尾「Pacific Ocean Perch(ミナミユメカサゴ)」

見開いた大きな目と鮮やかな朱色。そして口を開けば中が真っ黒。なので、アカムツ(のどぐろ)と勘違いしそうですが、これはユメカサゴ。4月からオーストラリア各地の生鮮魚店で売られ始めており、華やかな朱色が売り場を明るくしています。このユメカサゴ、実際はアカムツに引けを取らないほど美味しい魚です。【ウェルス編集部】

のどぐろにあらず、でもおいしさは引けを取りません

ミナミユメカサゴは、オーストラリアやニュージーランド(NZ)沖合の水深数百メートルの砂泥地に生息しています。海底にいる姿が、夢を見ながら寝ているようなのでこの名前が付いたという説もあるそうです。

さてさばいてみますと、鱗は取りやすいですが、皮は厚みがあります。そのまま刺身にする際は薄皮づくりもいいですが、皮を取らずにバーナーであぶり、焼霜造りにすると、とても香ばしい香りがしてほれぼれするほどです。また白身は火を通しても硬く締まらず、柔らかいままで、ほんのりとした甘味さえあるのが特徴です。特に食感が良く、筆者はすしの具に乗せて食べるのが好みです。

日本なら高級魚の部類に入るのでしょうが、オーストラリアでは、新鮮なものでも1キロ22-24豪ドル(1豪ドル=約83円)程度で買えるのも嬉しいです。(文・西原哲也)

 

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