地声人語・湖城の窓から- vol.546
【地声人語】
エイプリルフールかと思いました。とあるオーストラリアの有名シェフが4月、ケンタッキーフライドチキンとコラボしたコース料理を提供するそうです。11コースでお値段は75豪ドル。事前予約が必要ということで、同じく予約必須の日本のクリスマスのようです。クリスマスに提供されれば、在豪邦人が殺到するかもしれません。(岩下)
エイプリルフールのつもりでした。食卓で枝豆が出された際、出しガラの中にアーモンドを入れておきました。口に入れたら、なんだこれ!となるドッキリです。スマホで動画撮影もスタンバイ。しかし、それをつまんだ娘は「何コレ古くなってる」と言い、さっさと次の枝豆に。ドッキリならもう少し壮大なものにした方がいいのかもしれません。(西嵐)
エイプリルフールではありません。階下に住むインド人から手紙が来て、開けてみると味噌汁の作り方を教えて欲しいとのこと。インスタントでは「Umami」がないので、本物の味を楽しみたいそう。そうかそんな需要があるのか、と気付かされた思いです。出汁のきいた味噌汁を売れば、在豪印人に大人気になるかもしれません。(尋助)
【湖城の窓から】
「勝ち組と負け組 –予算と選挙–」
今週号のトップ記事は、連邦予算案です。農業分野に投入される予算案を取り上げましたが、ほかにも「国の繁栄を推進する4つの地域」に焦点を当てた予算案も発表されました。
内容を見ると、まずは北部準州。特にダーウィンがアジアへの輸出拠点として注目され、整備に26豪ドル(1豪ドル=約95円)が投入されます。次にクイーンズランド州の北部と中央部。サプライチェーン事業と水インフラの整備に17億豪ドルが盛り込まれます。3つめの地域は、西オーストラリア州のピルバラです。再生可能エネルギーのハブとして、インフラ整備や輸出港の整備に15億豪ドルが計上されました。最後はニューサウスウェールズ州のハンター地区。サプライチェーンの効率向上と輸出増加を目的に、交通と港の整備に7億5,000万豪ドルが充てられます。
全部で約71億豪ドルが、これら「オーストラリアが生産と成長の新たなフロンティアに進むために重要な変革的インフラ」に投じられます。こうした「地方への投資」は十分な予算が付けられた「勝ち組」として捉えられています。
一方で、「負け組」は「気候変動対策」です。オーストラリアは最近、山火事や洪水など、気候変動による深刻な災害に見舞われていますが、長い予算書に「気候変動」が登場したのは、意外にも1回だけでした。
いや実は、当初実質排出ゼロを目標にするつもりのなかったモリソン首相ですから、意外ではないのかもしれません。フライデンバーグ財務相は予算演説で、「気候変動」に対応するのは税金でなくテクノロジーだと述べています。さてこうした考えは、次回の選挙でどう審判が下されるのでしょうか。(編集長)
【ウェルスのトリビア 〜今週の紙面から〜】
オーストラリアに雨を多く降らせたラニーニャ現象が今後次第に弱まると、ある日本の研究開発機関が予想しています。さてスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を持つその機関とは、一体どこでしょうか?(答えは記事中に)