地声人語・湖城の窓から- vol.545

【地声人語】

かかりつけの一般開業医を変えたいです。理由は彼女のあまりのアナログさで、紹介レターや処方せん1枚をパソコンで作成するのにも時間がかかり、診察する時の大半が彼女の作業の待ち時間で無駄だからです。先日は途中で時間切れになったので、後で書類を取りに来たいと言ったら「心配ご無用、やっておくから」との返事でしたが、全く安心できません。(花坊)

かかりつけの整体師が人気のようです。先日は行列ができていました。並ぶ人に聞くと、メルボルンからわざわざやってきたそうです。このベトナム人整体師は、患者の身体をバキバキッと音を立てて調整し、ものの3分もしないで腰痛などを治してしまいます。こちらは先日の施術後、施術された方と反対の肩が痛くなりました。直った?いえ、安心できません。(西嵐)

かかりつけの歯医者が長髪になっていました。理由は多忙で散髪に行く時間がないからだそう。診察する時は帽子で髪を押さえていますが、あまりの髪のボリュームに紙製帽子がはち切れんばかりです。聞くと帽子は3枚重ねていると。清潔さが大事な医療関係者なので、その点は心配ご無用とか。いや、でも安心できません。(尋助)

【湖城の窓から】

「酪農の危機」

今週のトップ記事は酪農です。本誌2ページに掲載したグラフをご覧いただくと分かりますが、オーストラリアの牛乳生産量は2018年度に大きく減少し、以降は回復していません。当時は60年に一度と言われる大干ばつの時期で、雨が降れば生産量も回復すると予想されていました。しかし干ばつが終わっても生産量は戻らず、予想は当たりませんでした。

これには複合的な理由があり、その一つが畜産業に対し酪農業が経済的に劣勢だったことです。干ばつ時に、肉牛の頭数が減少した畜産業界は、雨が降り始めた後、頭数を増やす動きが出ました。肉牛の需要が急上昇し、不足した畜牛の価格は何度も最高値を更新しました。肉牛を飼っていればお金になると言われ、老いた牛でも高く売れました。その状態を見た酪農家が畜産農家に鞍替えし、酪農家が減ったのです。17年に5,771軒だった酪農家は20年に5,055軒と、3年間で1割以上減少しています。

19年当時、酪農業界団体ADICが「23年までにオーストラリアは乳製品の純輸入国に転じる可能性がある」と予想しています。この予想の年まであと1年。こればかりは当たらないことを祈ります。(編集長)

【ウェルスのトリビア 〜今週の紙面から〜】

ニュージーランドのキウイフルーツ輸出企業、ゼスプリの出荷シーズンが始まりました。同社の赤色のキウイ「ルビーレッド」は、今シーズンから4カ国で商業的に販売されます。その4カ国とはNZと日本、シンガポールと、どこの国でしょうか?

(答えは記事中に)