地声人語・湖城の窓から- vol.514
【地声人語】
コロナ下に、新たな趣味として手捏ねのパン作りを始めました。珍しく三日坊主になることなく1年以上継続しており、最初は失敗ばかりしていた捏ねにくいベタベタした生地も今や手懐け、食パンから菓子パンまで色々作れるようになりました。ロックダウンによる長引く巣ごもり生活で、一層熱中してしまいそうです。(岩下)
コロナ下に、手打ちの蕎麦作りを始めました。オーストラリアではそば粉はスーパーで売られているので、始めるのは容易でしたが、やってみると難しいです。こねが足りないと、固まってくれないのです。できた8割そばは、太い卵麺のように太く、味もこわい。ひどいそばを目にして、熱中するどころか、気持ちが萎えてしまいそうです。(西嵐)
コロナ下に、手作りのマフィン作りを始めました。オーストラリアの小麦粉は特殊でベーキングパウダーが含まれているので、失敗せずにいい感じに膨らんでくれます。日本人としては、甘くしたくないので、ヘーゼルナッツのスプレッドを付けて食べます。オージーには嫌われるでしょう。この小麦粉を使い続けるべきか悩んでしまいそうです。(弥生)
【湖城の窓から】
「適応力」
オーストラリア農業界の各セクターから、労働力不足の声が聞こえてきます。穀物業界からは収穫ができず3億豪ドル(1豪ドル=約81円)の損害が出るという悲鳴が上がれば、食肉加工業界は必要とされる人数に4,000人足りない、と叫んでいます。青果業界は価格に強い圧力があると呻き、レタスは1年で40%値上がりしたと真っ青になっています。
ニュージーランドも同様ですが、来月から季節労働者プログラム(RSE)の隔離なし受け入れが始まります。また、条件次第ではビザの延長ができる仕組みも取り入れられました。政府の施策が今後、生産者をひと安心させることができるか、注目を集めています。
そんな中、NZの生産者は、オーストラリアの農家が大金をちらつかせ、移民労働者を奪おうとしていると批判の声を上げました。転居費用はもちろん、皆勤ボーナス支給など、合わせて数千豪ドルをオファーしているとか。中には4年働いたら住宅を供給し、家族の呼び寄せもすると提案しているところもあるらしい。これはウワサ話かもしれませんが、それだけ逼迫感が蔓延しているのでしょう。
もっとも、オーストラリア農業省は今年3月、労働力不足がそれまでも叫ばれていながら、農作物に目立った値上がりは見られず、サプライチェーンの適応力が発揮されたと評価しています。半年後の時点でも、適応力はあるでしょうか。(編集長)
【ウェルスのトリビア 〜今週の紙面から〜】
人工ミルクの出現で、酪農界が慌ただしくなっていますが、人工ミルクは牛乳に含まれるカゼインミセル(タンパク質の粒子)を牛ではなく、何を使って生成するのでしょうか?
(答えは記事中に)