地声人語・湖城の窓から- vol.472

【地声人語】

頼んでいた引越し業者が当日、「本を持っているなんて素晴らしい」と言ってきました。ぽかんとしました。「books」というラベルが貼られた段ボール箱を見つけたようです。オーストラリアでは、最近は本を保有している人が珍しいようです。本棚を2つ自作するほどのウェルス編集長が引っ越すなら、業者もすっかりほれ込むに違いありません。(岩下)

 

頼んでいた水道管業者が当日、「庭の木の根が水道管を圧迫していた」と言ってきました。ぽかんとしました。水道管の詰まりを直してもらった際のことです。オーストラリアでは、木の根が水道管を壊す、という説はよく聞きます。でも、うちに大きな木はないです。何でも根っこのせいにしているに違いありません。(西嵐)

 

頼んでいた粗大ゴミ回収業者が当日、「ゴミがない」と言ってきました。ぽかんとしました。さては近所の人たちが持って行ったなと思いました。オーストラリアではよくあることです。でも、一番大きいゴミの、動かない芝刈り機はガレージに鎮座していました。誰かが親切にも戻してくれたに違いありません。(尋助)

【湖城の窓から】

「ニクの日」

畜牛価格指標のEYCIが、またもや最高値を更新しました。売り手にとって高値はいいことでしょうが、買い手の食肉加工業界にとっては死活問題です。ましてやコロナで食肉需要があるのは家庭料理用で、ハイエンド・レストランの高級肉はぱったり。本誌6月26日号でも「受難の加工業」として報じましたが、いまだ状況が大きく好転する兆しはなさそうです。

かつての干ばつ時には、畜産農家が生産コストの高騰に抗えず、牛を手放す流れができました。しかし現在その流れは滞っています。中流にある食肉加工会社にとって、仕入値が上がる訳ですから経費削減という自助努力にも限界があるでしょう。商品に付加価値を付けても川下に販売先がなく、それこそ八方ふさがりな状況です。

降水量が増え、穀物や酪農業界の景況感は上昇しているというのに、畜産加工業界と外食産業の停滞が目に付きます。

一時停止していた外食産業も、細々と営業を再開しました。読者の皆様、社会的距離を注意はしつつ、月に一度はどこかで美味しい牛肉を食べましょう。毎月29日は「ニク(肉)の日」です。【ウェルス編集長】

【ウェルスのトリビア ~今週の紙面から~】

穀物大手バイテラは収穫シーズンに向け新型コロナの対策も万全といいます。さて、どの様な対策をとったのでしょうか?

(答えは記事中に)