編集後記・湖城の窓から- vol.458

【地声人語】

ライトレールの向かいの席に女性が座ったことがあります。7月から乗車人数制限も緩和されたので、向かいに人が乗るのはまったく問題ありません。ただし、女性は座った瞬間、ハンバーガーを食べ始めました。交通機関は飲食禁止ではありませんが、衛生面を皆が気にしている中、この行為はどうなのでしょう。そしてハンバーガーの匂いは間違いなく飯テロでした。(瀬戸内)

飛行機の向かいの席に客室乗務員が座ったことがあります。先方は慣れている様子で、ポーカーフェイスです。ただし、それが時に美女の乗務員であったりすると、こちらはなんだか目のやり場に困る感じです。業務の範囲なのでしょうが、彼女に話しかけられると、ときめいたりしました。間違いなく色テロでした。(西嵐)

ラーメン屋の向かいの席に、怒った女性が座ったことがあります。バサッとメニューを取り、お冷やのコップをガツンと置きます。ただし、注文は穏やかに。ラーメンが来ても、数口食べただけで、携帯に何か打ち込み、鼻息荒く画面を見つめています。見る間に汁を吸い、伸びきった麺は、間違いなくテロテロでした。(尋助)

【湖城の窓から】

「命のコスト」

昨年8月、ニュージーランド(NZ)のオタゴで、ウイルス性で免疫の病気にかかった鶏が発見されました。このウイルスはヒトには移りませんが、鶏には伝染性があります。そのためオーストラリアはNZの鶏肉の輸入を禁止しました。その後NZは措置を施し、最新の検査では新たなウイルスは発見されませんでした。

ここで問題になったのは、当初罹患した鶏をどうするか、ということ。鶏はすでに回復し症状はもう出ていません。生んだ卵は食べても問題ありません。ただし、ウイルス性の疾病歴があることは間違いなく、その鶏がいる限りNZは輸出を再開できません。輸出のためにその鶏たちを早めに処分するか、年間6,000万NZドル相当の業界と鶏の命が天秤に掛けられました。

議論を経てNZの生産者が選んだのは、鶏が天寿を全うするまで待つということでした。これは一見良い話に聞こえます。しかしNZの農業は、動物福祉を含めたコンプライアンス・コストの高騰が深刻な問題となっています。NZには310社の鶏肉卵業者がいます。決断までに倫理的、法的、経済的な相当の葛藤があったろうことは想像に難くありません。【ウェルス編集長】

【ウェルスのトリビア ~今週の紙面から~】

NZの果物業界団体は、農家に次のシーズンは質より量を重視するよう伝えています。その理由は何でしょうか?(答えは記事中に)