地声人語・湖城の窓から- vol.503
【地声人語】
毎年冬には鍋料理のため土鍋を買おうと思うのですが、いつも買い渋っているうちに春が来てしまいます。片手鍋でも具材をきれいに並べれば美味しそうに見えるので、まあいいやとなってしまうのです。今年こそはと思いつつ、置く場所がないと言い訳しながら結局、今年も冬を越してしまいそうです。(岩下)
毎年母の日には日本の実家の母に何か贈ろうと思うのですが、いつも迷っているうちに時が過ぎてしまいます。母に何が欲しいかを聞くと、何にもいらない、といつも強調されるのです。温泉旅行などはどうかと思いますが、体が弱く、それも難儀な様子です。結局、毎年電話だけになってしまいそうです。(西嵐)
毎年誕生日には目標を立てて実行しようと思うのですが、いつも挫折して一年が経ってしまうことになります。今年は柔道を始めようと思い、見学に行ったり、ビデオを見たり、高校時代の免状を送ってもらったりしましたが、持病を言い訳にしてなかなか始めることができずに結局、また次の誕生日の目標と化してしまいそうです。(尋助)
【湖城の窓から】
「希少価値」
今週号の穀物記事の主役はカノーラでした。3月の輸出量は前月の3倍に急増、来期の作付面積は過去最大で、生産量も記録を更新すると見込まれています。
日本向け輸出量は決して多いとはいえませんが、南オーストラリア(SA)州カンガルー島は非遺伝子組み換え(GMフリー)をセールスポイントに日本の高価値市場にアクセスしています。SA州では昨年、68カ所の自治体のうち11カ所が、今後もGM作物禁止措置を継続したいと申し出ました。しかしSA州政府はこれをすべて却下し、禁止措置が継続されるのはカンガルー島のみとしました。GMフリーの立場が、地域に経済的利益をもたらすことを証明する必要があったのですが、11カ所はいずれも、立場を維持する正当性を証明できなかったようです。SA州ではかつて、GMO禁止による逸失利益が発生しているという調査結果が出ましたが、今回も同様だったのでしょう。
さて、そのカンガルー島ですが「SA州本土についてはGMOの解禁を望む」としています。自島の非GMO作物の希少性が高まることで、プレミアム価格を想定していた訳です。世界の在庫減を背景に、価格が大幅に上昇している現在、カンガルー島のカノーラには一体いくらの値が付いているのでしょうか。(編集長)
【ウェルスのトリビア ~今週の紙面から~】
中国政府がオーストラリア産大麦に対して80%の関税を発表してからちょうど1年。豪産大麦は中国市場を失いましたが、代わりにどの国向けの輸出が増加したでしょうか?(答えは記事中に)