包丁さばき
オーストラリアに住んでいると、日本仕込みの包丁さばきをほめられる機会がよくある。日常の家事程度の手習いだが、野菜の皮むきにピーラーを使うことが常識となっている人の目には、ニンジンやジャガイモの皮をさっさとむけることが特殊技能であるかのように映るらしい。
特に称賛されたのが、日本では小学生ができてもめずらしくない、リンゴの皮むきだ。リンゴを回しながら、上から下まで皮が1つにつながった状態でむき終えると、知人のオージーが拍手してくれた。
ただ、オーストラリアには「スリンキー」と呼ばれる調理器具があり、大きいので場所を取るのが難点だが、これを使うとリンゴ1個の皮を数秒でむけるし、実のスライスも簡単にできる。リンゴの皮むきに限らず、人の手による技術を磨くよりも、道具を開発する方が長期的には効率的なのかと、「器用な日本人」のプライドと「便利なツール」への誘惑の間で揺れている。(梅枝)
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