ソウルフード

週末にシドニー北のノーザンビーチにあるディーワイに出掛けた。人気の少なくなった砂浜を歩いていると、知人に声を掛けられた。小さな男の子の手を引いていた。そういえば、ノーザンビーチに引っ越すと聞いていた。

世間話をしていて、地元の公立小学校の話題になった。なんとお子さんのクラスは、生徒の7割以上がチベット系移民の子だそうだ。驚いて理由を聞くと、近くにチベット難民のために政府が提供した住宅地区があるからという。

学校のイベントで手作り料理を持ち寄る機会があると、チベット系の人たちが持ってくるのは例外なく「モモ」。蒸し餃子に似た料理で、チベット人のソウルフードとされる。

特別な時に作る料理ということなので、皆、ここぞとばかりに腕を振るうのだろうが、食べる方としては味の違いがあまり分からず、次々に勧められて閉口するとか。多民族国家のオーストラリアで、単民族の料理攻めに遭うという珍しい例だろう。(城一)

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