検疫の負け戦
米俳優ジョニー・デップと、オーストラリアのジョイス農相の確執がまだ続いている。デップ氏が検疫を通さずに飼い犬をオーストラリアに違法に持ち込んだことが発端だが、この騒動を通じて、オーストラリアの検疫の厳しさが世界に広く宣伝されたともいえる。
厳しい検疫は独自の生態系を守ることが目的だが、抜け穴も多い。英紙ガーディアンは先日、オーストラリアでは、アマゾンやイーベイなどを通して有害な雑草の種を海外から購入できると報じた。北部準州政府が毎年大金を投じて駆除に取り組んでいる雑草も、その種が簡単に買えてしまうという。
世界的に貿易の自由化が進む中、オーストラリアで人やモノの往来が今後減ることはなく、外来種や病気などの侵入を完全に防ぐことは不可能だろう。国が広く、植物などに免疫もないため、被害が出れば取り返しの付かない惨事になりかねない。この国の農業の最大の売りである「クリーン&グリーン」はいつまで維持できるのだろう。(葉羽)
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