すっぱいタロ芋
太平洋地域では、食べ物がほとんど日持ちしない。しかし、ソロモン諸島には常識を覆す「ススグ」と呼ばれる料理がある。
筆者が食したのは同国サンタカタリナ島のもの。材料はタロ芋、「ガリップ」と呼ばれる木の実、ココナツミルクなど。タロ芋はすり下ろして火にかけ、木の実は臼でつぶす。それらを手でまぜてココナツミルクをまぶし、きねと臼でつく。出来たてのススグは甘くおいしい。ただ、普通のタロ芋を使うと、すぐに駄目になる。
ところが「湿地タロ(Cyrtosperma chamissonis)」を使うと、ススグは発酵が進んで酸味が増した独特の風味になり、2~3カ月間も持つ。男たちは海で漁をする時、酸っぱいススグで塩辛くなった口の中を癒やすそうだ。
湿地タロは他のタロ芋とは違ってひざまで漬かる湿地帯で生育する。どうしてこのタロ芋がよく発酵するのかについては今のところ耳にしたことがない。商用に検討の価値があるのかもしれない。(頼徳)
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