豪州の養鶏場

昔、地方の養鶏場を訪れたことがある。長さ100メートル近くある養鶏場で、初めて見た印象は「農場にある工場」だった。ドアを開けて中を見ると、これでもかと言わんばかりに小さな鶏が埋め尽くされていた。
数週間後また訪れると、鶏は一回りも二回りも大きくなっていた。ここまで大きくなると、密集度に加え、体の大きさも合わさり、身動きが取れない状況のようだ。ただ、その次に行った際には、養鶏場の中はガランとして、無数の鶏の羽だけが残っていた。農場主に鶏の行き先を尋ねたところ、「今ごろはもうみんなのお腹の中だ(笑)」と言われたことがある。
さて、議論が過熱している養鶏の定義「フリーレンジ」。野外を自由に歩き回って健康的、というイメージだが、肉用ではなく卵用の場合、農家が卵を回収するコストも価格に跳ね返るのではないか、と想像した。(豪々)

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