調理と消費の分業
日本に帰国して料理をする際に、いつも残念に思うことがある。日本人なら誰でも刺身を食べるだろうが、筆者の田舎では家庭で刺身に捌くための魚が丸ごと売られていないことだ。あるにはあるが、せいぜい小さめのアジなどだ。大抵は、切り身のパックで売られている。
また、日本人なら大抵はソバを食べるだろう。だが、ソバを自宅で打つためのソバ粉自体がスーパーでは売られていない。いや、正確には売られてはいるが、250グラムの小パックばかり。これでは少なすぎて、4~5人の家庭でソバを打つには4袋以上買わねばならない。
要するに日本では、刺身を食べるならパックで買い、ソバを食べるならそば屋に行くというように、作り手と食べる側が完全に分離されている。
これがオーストラリアなら、刺身を食べる習慣はないのに、さまざまな魚がまるごと買える。ソバを食べる習慣はないのに、ソバ粉だってキロ単位で買える。調理のしがいがあるというものだ。この違い。どう理解していいのか戸惑っている。(西嵐)
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