タコスへの期待
米国の有名なメキシカンフードチェーンがこのほど、シドニーの都市部に新しくオープンした。食べたことがなかったので試そうと思ったが、初日から連日、店舗の前にはタコス好きなオージーが列をなしており、なかなか入れない。日本で会社員をしていた頃、会社の近くに同チェーンが開店し、米国帰国子女の同僚が「懐かしい!」と大興奮していたことを思い出して、期待は膨らむ一方だ。
しばらくして外の行列が落ち着いたので、満を持して訪れてみた。店の中には多くの人がいたが、皆持ち帰りの注文を受け取るのを待っているようだ。いやな予感がしながらも注文を終えたが、待てども待てども名前が呼ばれない。キッチンでは多くの従業員があくせく動いており、人手不足のようでもないが、能率が悪いらしい。どうやら外の大行列は、単に待ち時間が長いことが原因だったようだ。
ようやく手にしたタコスは冷たく水っぽくて、タコスへの期待も冷えてしまった。(岩下)
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