湖城の窓から「費用対効果」
オーストラリアでミツバチの寄生虫バロアダニ(ミツバチヘギイタダニ)が検知された地域が、徐々に拡大しています。これまで同国は養蜂が盛んな国では唯一の清浄国とされていたものの、昨年7月にニューサウスウェールズ州で初めて検知され、1年たった現在検知件数は222カ所に増加し、地域はビクトリア州近くにも拡大しています。
連邦政府はこれまでに、バロアダニの侵入による被害額は30年で52億豪ドル(1豪ドル=約94円)と想定し、2023/24年度の予算に合計8億豪ドル以上のバイオセキュリティー関係費を盛り込みました。
しかし国内ではコスト増を背景に船舶や貨物の検疫件数が減少傾向にあります。船舶については、4年前は全船舶の99%が検疫を受けていたのに対し、22/23年度は90%まで減少しました。
バロアダニは、米大陸やユーラシア大陸のほぼすべての国に分布し、東南アジア諸国やニュージーランドでも確認されています。オーストラリアが清浄国でいられるもの時間の問題とする声も出ています。撲滅を目指すのではなく、適切な管理をすることで被害を最小限にすることが費用対効果が高いということになるのでしょうか。(編集長)
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