湖城の窓から 「その賞味期限、必要?」
ニュージーランド(NZ)の2022年第3四半期(7〜9月)の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比で7.2%上昇し、市場予想の6.5%を大きく上回りました。7.3%上昇と32年来の高水準となった第2四半期に続く記録です。中でも食品は8.0%上昇と、消費者が生活コストの一層の上昇に直面していることを示しています。
そんなインフレ急加速を好機と見ているのが、安売りスーパーの「Reduced to Clear」です。直訳すると「片付けるために値下げ」というダイレクトな意味の店名を掲げるこのお店は、賞味期限を経過したかあるいは間近の商品を、食品安全当局の許可を得た上で、最大8割引きで販売しています。同社は現在、顧客の支持を集め、店舗数の拡大を検討しているそうです。
現地報道を見る限り、安さに注目が集まっていますが、この動きは賞味期限の意義を問うものでもあります。賞味期限とは、食品が損傷していない限り、その日以降も食べられることを意味します。実際に英国の複数の大手スーパーは今年9月から賞味期限の表示を廃止しました。英国で廃棄された食品のうち、7割はまだ食べられるものだったという調査結果を受けた措置で、フードロスの削減が目的です。
NZやオーストラリアでこうした動きは広まるでしょうか。もともと環境への意識が高い上に、価格の下落にもつながることですから、案外すんなりと受け入れられるかもしれません。(編集長)
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