湖城の窓から「チャイナリスク」
オーストラリアの穀物業界関係者から「日本は農産物に対しても、工業製品並の品質基準を求める」と聞きました。不純物を許容するレンジが他国に比べ狭いということですが、青果業界の関係者からも同様の話が。彼はさらに辛辣で、日本は品質に対し厳しい要求をする割に、取引量は決して多くなく、高値で買うという訳でもない、と指摘します。これでは取引の太いパイプを作ることは不可能で、いつまで経ってもワンオフの関係から抜け出せない、とも。
一方で中国は、品質にうるさいことを言うこともなく、大量に買っていく。面倒がないためにオーストラリアのサプライヤーは皆、往々にして大陸の方を向いてしまう。こうしたことを、日本の乳製品関係者は「チャイナリスク」と呼んでいました。日本側としては、いかにサプライヤーをこちらに向かせ続けるかが重要な仕事なのだとか。世界最大の人口を抱える隣国の存在と、日本の過剰とも言える品質基準、食糧危機の忍び寄りなどが組み合わさり、売り手優位の状況を作っているのかもしれません。
ただ、オーストラリアのサプライヤーにとっては、中国は少しでも安い価格を見つけると、あっという間に乗り換えてしまうことがあり、それも「チャイナリスク」のひとつなのだとか。(編集長)
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