湖城の窓から「嗜好の変化」
近年穀物輸入を急拡大させている中国が、今後牛肉の輸入も増やし、オーストラリアの畜産業界に好機到来、という予想をオーストラリア農業省が発表しました。2018年にアジアで初めて中国でアフリカ豚熱(ASF)が確認されて以来、減少した豚肉生産をカバーするためオーストラリアも中国への豚肉輸出を増やしました。そんな中国では現在、可処分所得の伸びにより、牛肉の需要が拡大しています。
中国では豚の頭数はASF前の水準に回復したとされ、21年に豚肉の価格は下落しました。しかし同年の牛肉の消費量は減少せず、牛肉の消費の拡大が明確になったと言われます。中国政府は畜産業を拡大し、豚肉の95%、牛・羊肉の85%の自給を目指す5カ年計画を策定しています。しかし、まだ国内生産は需要の伸びに追いついていません。この目標を達成するまでの間、中国の巨大な胃袋を満たすには輸入が大きな役割を果たすとみられています。
ただ、現在の穀物は世界の在庫の半分を中国が占めるまでになり、世界レベルで供給が需要を満たせない状況が食料危機の一因とも言われています。今後世界の牛肉も中国を目指し、他国ではますます高値になるのは杞憂でしょうか。いや、代替肉があるからいいのでしょうか。(編集長)
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