湖城の窓から 「コンテナがない?」
弊誌のトップ記事で、輸出入におけるコンテナの不足を取り上げたのは2020年3月でした。以来物流の混乱は影響が広がりこそすれ、緩和したとは聞かない中、オーストラリアの小麦のコンテナによる輸出が過去最高のペースで進んでいます。
豪政府統計局によると、今シーズン最初の5カ月の輸出量は合計110万トンでした。このペースで進めば、9月末までの今シーズンの予想輸出量は267万トンで、11/12年度に記録した262万トンを超える見通しです。また、昨シーズンにオーストラリアからコンテナで輸出された小麦は216万トンでした。食品輸送水準のコンテナが足りないと言われながら、これも過去平均を優に超えています。
こうした数字に最も驚いているのが、ほかならぬ穀物輸出業者自身のようです。ビクトリア州農業者連盟は「世界中の物流の混乱の声を聞くと、輸出要請に応えられてきたことは驚きだ」とし、「輸出業者が多大な努力を払った結果」とコメントしています。
確かに輸出業者がコンテナをかき集めた事実もあるでしょうが、コンテナ調達コストを吸収するだけの強固な需要があり、それが巡って食品価格の上昇につながっているという側面も無視できません。
それにしても、コンテナは一体どこに?(編集長)
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