第9回 Mid-WesternHighway編
1.今回紹介する道
ミッド・ウエスターンハイウエー(MWH)
(巨大消費地シドニーに農産物を供給する、ニューサウスウェールズ州中央台地農業地帯を通る本道を紹介したい。)

2.私が走ったルート
シドニー市街よりグレイトウエスターンハイウエー(GWH)をバサーストに向かい、本道を進んでブレイニーを通りカウラまで走行。
(1)GWHからバサーストまで
ブルーマウンテンにつづくGWHを進み、カトゥーンバ、リスゴーを越えると中央台地農業地帯の入口でもあるバサーストに着く。この道沿いは大分水嶺山脈を通る山道であることや、自然公園ということもあり、人の手がかかった農地はあまり見られない。
リスゴーはかつて石炭が採掘されたことから、鉄道の敷設や工業化が進んでいた。1875年には牛肉冷凍施設を備えた食肉加工施設が建設され、シドニーに鉄道で牛肉が供給されるなど、国内農産物輸送の歴史で重要な都市でもあった。
中央台地農業地域の入口であるバサーストは、金鉱で発展した町である。郊外では牛羊の放牧が見られ、マクワリー川沿いでは水利の良さから野菜(キャベツ、ブロッコリー、カボチャ等)が生産され、シドニー等に出荷されている。

(2)ブレイニー及びカーコアダム湖
バサーストからMWHに入りしばらく進むと、ブレイニーに着く。この地域でも古くから冷凍工場が建設され冷蔵食料品等が出荷されたそうで、現在も食品関係工場や中央台地家畜取引市場があるなど重要な都市でもある。周辺では牛羊の放牧が行われ、左の車窓には風力発電の巨大風車とのんびり牧草を喰んでいるアンガス牛を見ることができる。
なお、この巨大風車の先にはカーコアダム湖があり、ダムの水はラックラン川に流れ、フォーブスの先にある大かんがい地域の水源になる。この地域は水源としても重要だ。

(3)日本とゆかりの深いカウラ
ブレイニーから1時間程でカウラに着く。小麦等穀物生産、かんがいを使った野菜生産、放牧等の畜産が行われるなど多様性に富んだ農業地域である。ラックラン川があることで水利が良く、沖積土壌があり土地が肥沃であることから農業が盛んだ。近くにはワイアンガラダム湖があり、湖水はラックラン川に流れる。
カウラには第二次世界大戦での捕虜収容所があり、カウラ事件など日本とゆかりの深い場所である。ちなみに、日本人と同様にこの収容所にいたイタリア人捕虜は、農家と協力して人手が必要なアスパラガス生産を始めるなど、地元農業に貢献したようだ。オーストラリアではイタリア人が経営するワイナリーや農園等をよく見かけるが、同国出身者がオーストラリア農業で果たす役割は小さくない。

3.実際に走って
バサーストには名門サーキット「マウント・パノラマ」があり、レースがないときは自分の車で走行路を運転できる。コースの高台から見るバサーストの風景は素晴らしかった。
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