第13回 Gwydir Highway編
1.今回紹介する道
グイディルハイウエー
(Gwydir Highway)
(グイディル川流域かんがい地域の主要農業拠点であるモリー(Moree)と、その先のアウトバックの町について紹介したい)
2.私が走ったルート
ニューサウスウェールズ州インベレル(Inverell)から西進し、モリー、ウォルゲット(Walgett)を過ぎ、バーク(Bourke)まで。
(1)インベレルとグイディル川の水源
インベレルは、シドニーから北約700キロメートルにあるニューイングランド高原の西斜面側にある町。マッキンタイヤー川が流れ、麦類やトウモロコシ栽培、羊の放牧などが行われ、土壌が豊か。
周辺には、ポートジャクソン湾が蓄える水の2倍の量を保有することができるというコープトンダム湖がある。農業上重要な水源で、湖水はグイディル川へ流れ、川沿いのかんがい地域(モリー等)に水を供給しながら、最終的にダーリング川に合流する。
インベレルからは、地理的にノースウエストスロープと呼ばれる地域。中心の町はウォリアルダ(Warialda)で、牧草地や耕作地が広がっている。さらに進むと風景はなだらかになり、平原の町であるモリーに着く。
(2)モリーからウォルゲット
モリーはグイディル川流水域かんがい地域で生産される穀物や綿花等の集積地の一つであり、巨大な穀物貯蔵施設が複数存在する比較的大きな町だ。モリー市は穀物集積地である利点を生かし、農業ビジネス等工場誘致に努めている。
モリーの郊外には広大な麦畑や綿花畑が広がる。本道をしばらく進んでも、車窓はずっと単調な畑の風景だ。
モリーから本道を210キロメートル進むとウォルゲットに入る。乾燥した低草木が多く見られ、「アウトバック」に入りつつあることを実感する。そうはいっても、同地周辺はまだ、かんがいによる綿花や穀物栽培も行われている。
(3)ウォルゲットからバークまで
ウォルゲットは、鉄格子のある商店街や路上で物乞いをする人など、治安上問題がありそうな町だ。新聞販売店では、新聞雑誌や日常雑貨のほかに、狩猟用ライフルも販売されていた(購入は許可が必要)。
ウォルゲットから西(内陸)へ230キロメートル先の内陸バークは、「ど田舎」で不便を意味する「Out The Back of Bourke」という言葉で有名。周辺は、河川等に付随するかんがい地帯(綿花栽培が主)以外は乾燥した草原が広がり、何もない。町はウォルゲット同様に治安が悪そうで、例えば酒屋では商品と店員がいるスペースは全てガラスで仕切られており、客は自由に商品を手に取ることができない。
3.実際に走って
ウォルゲット、バークなどアウトバックの町は、先住民アボリジニ系住民が多く、北部準州のダーウィンのような感じだ。物乞いの人や無為にうろつく人も見かけ、治安や雇用等問題を抱えているのだと感じた。
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