第14回 Bruce Highway編
1.今回紹介する道
ブルースハイウエー(Bruce Highway)
(ケアンズからブリスベンにかけ1,700キロメートルある海岸線の道路。道沿いでの肉牛飼育及びサトウキビ栽培の一例について紹介したい)
2.私が走ったルート
クイーンズランド(QLD)州ロックハンプトン(Rockhampton)から本道を北に進み、マッカイ(Mackay)まで走行。
(1)「ビーフキャピタル」ロックハンプトン
ロックハンプトンはブリスベンから北600キロメートルに位置するQLD州中部の中核都市。ちょうど南回帰線が通っており、亜熱帯地域に位置している。
後背地とその周辺部では肉牛が多く育成されている。ロックハンプトンは肉牛の集散地として農業上重要な都市で、「ビーフキャピタル」と呼ばれる。市内を散策すると、肉牛のオブジェ等見ることができる。
市内にある中部QLD家畜取引所は国内でも最大級の規模を持つ施設。同所で取引された牛は食肉に加工され、日本を含む世界各地に出荷される。
(2)マッカイとの間の放牧牛
ロックハンプトンから北へ進むと、起伏によって森林も見えるが、放牧に適した広い草原も見かける。ここで放牧されている牛の大半は首の下側にヒダヒダがあるブラウマン系の牛だ。この牛はもともと温暖なインドが原産で高温耐性があるのが特徴であり、QLD州など国内亜熱帯地方で主に育成されている。
一方、ニューサウスウェールズ州やビクトリア州などの冬が寒い地域には、耐寒性がある英国種系のアンガスなどが育成されている。同じオーストラリア産牛でも、地域によって種類は異なる。
(3)マッカイ近郊のサトウキビ栽培
ロックハンプトンとマッカイの中間地点を過ぎてから、徐々にサトウキビ畑が見え始める。目を引くのはサトウキビのほ場内を通っている狭軌の鉄道線路。刈り取ったサトウキビの茎の糖分は収穫後12~18時間以内に速やかに製糖工場に運搬し加工しないと、糖含有量が大幅に減少してしまう。ほ場内で収穫物をすぐ工場直送列車の貨車に積み込むことで、このような問題を防いでいる。
収穫期(6月~12月)には、ほ場を走る小型ディーゼル機関車に引かれたサトウキビ列車を見ることができるだろう。加工後のサトウキビ残りかすは、肉牛飼料や肥料に使われている。
なお、QLD産砂糖はその8割以上が輸出されており、日本も重要な輸出先の一つである。
3.実際に走って
ロックハンプトンでは5月4~9日、オーストラリアで3年に1度の牛肉業界最大級のイベント「Beef Australia 2015」が開催される予定だ。同イベントでは、展示、販売、セミナーが行われ、世界中から集まった関係者による情報交換が行われるという。
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