第4回 Riverina Highway編

1.今回紹介する道
リべリナ ハイウエー(Riverina Highway)
(第1回でマレーバレーハイウェーを紹介したが、今回はマレー川を境にニューサウスウェールズ(NSW)州側を通るリベリナハイウェーと水田を紹介したい。)
2.私が走ったルート
オルベリー(Albury)から車で本道をたどってフィンレイ(Finley)まで進み、そこからジェリルデリー(Jerilderie)に寄り道をして、その後デニリクイン(Deniliquin)まで走行。
(1) オルベリーからフィンレイまで
オルベリーには、車で20分程度で行くことができるヒューム湖(ダム湖)がある。同湖はこれから通過するマレーかんがい地域に供給する農業用水を蓄える湖である。毎年の作付面積はここを含む水資源に左右され、豪州農業を見る上でも見落としてはならない場所でもある。

オルベリー周辺は比較的標高の高い地域で、その地形と気候にあった落葉果樹、酪農等が行われている。しばらく走ると開かれた平原に出る。ただ、フィンレイまでの本道ではしばらく町がない。食事などでコラワ(Corowa)に立ち寄るのも良いかもしれない。
(2) フィンレイからニューウェル(Newell)ハイウエーに寄り道して、ジェリルデリーへ
フィンレイ周辺では11月から翌年4月あたりにかけてイネを見ることができる。デニリクインやフィンレイを含むマレーバレーかんがい地域のイネは日本の品種に近い短粒種が多く栽培している。他の稲作地域(マランビジー、コリアンバレー)のイネと比べて、日本で見慣れている穂の形に似ていると気づくだろう。

フィンレイは、NSW州を南北に縦断するニューウェルハイウエーとも交差する。この道を北に進むと、ネッド・ケリー伝説の舞台のひとつであるジェリルデリーに着く。ネッド・ケリーは19世紀後半に圧倒的な権力を持っていた警察や銀行を次々と襲った盗賊である。その頃、元囚人や貧しい新移民を中心とした人々は小農民となって、当時の大地主などの体制側からの不当な扱いに耐えていた。このような中、ネッド・ケリーはビクトリア州の町々で数多く強盗する中、この町にも立ち寄り銀行から大金を強盗し、その金で住民に酒を振る舞いつつ、銀行にあった住民たちの借用書を焼却していったそうである。
(3)フィンレイからデニリクインまで
マレーバレーかんがい地域の中核都市であるデニリクインは、羊をはじめ、小麦、コメの集散地で、精米工場等がある。ここを通る鉄道は、エチューカを経てメルボルンへ至る「広軌」の路線であり、NSW州で一般的な「標準軌」の路線とは異なる。そのためデニリクインからNSW州の港(ケンブラ港など)に直接、鉄道で輸送することはできない。メルボルンの船積み前貯蔵施設にスペースがない場合、他の港から出荷させるという選択肢がなく、せっかくの輸出チャンスを失ってしまうことになる。国内輸送インフラ整備は、海外の輸出に多く頼る豪州農業にとっては非常に重要な問題である。

3.実際に走って
ネッド・ケリーゆかりのジェリルデリーには、マグカップやティータオルなどのネット・ケリーグッズが売られ、襲撃地域をたどるツーリングルートの掲示板がある。反権力の象徴である彼は、いまでも豪州人に愛されているように感じた。
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