オセアニア農業の歩み方「国内市場の成熟見越して」
オセアニア地域では、日本企業による積極的な買収の動きが相次いでいます。明治ホールディングスは、ニュージーランド乳業最大手フォンテラが売却を進める消費者部門「メインランド・グループ」の有力な買収候補に名を連ねており、現地メディアからも大きく注目されています。
今回取り上げたコロワイドによるステーキチェーン「シーグラス」の買収も、国内市場の成熟を見据えた戦略的な一手と言えます。同社は、2030 年3月までに海外事業比率を現在の 13%から 30%へと引き上げる明確な目標を掲げ、アジアや中東での展開と牛肉供給網の強化を同時に進めようとしています。「高品質のものを競争力のある価格で提供することが日本市場では重要だ」とする広報担当者の言葉が印象に残りました。オーストラリアでは、高価格が必ずしも高品質につながらない中、日本企業のこうした姿勢は、むしろ現地企業にも示唆を与えるものと感じます。
人口減と内需の低迷という国内の制約を突破するために、積極的に海外市場を取り込み、持続的な成長の道を模索する日本企業の動きに、今後も注目していきます。(本田歩)
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