湖城の窓から「輸出」

今週号のトップ記事は、アラブ首長国連邦(UAE)との包括的経済連携協定(CEPA)の交渉合意を取り上げました。

オーストラリアは現在、日本を始め、韓国や中国、インドネシア、英国など、19カ国・地域と貿易協定を締結しています。

貿易において関税を撤廃あるいは引き下げる協定は非常に重要で、オーストラリアは現在、主力輸出品目の牛肉はほぼ全てを協定の締結国へ出荷しています。

「輸出における市場アクセスは国の役割で、市場拡大は業界の役割」とは、ある貿易業界関係者の言葉ですが、オーストラリア政府は最近、輸出市場アクセスを急速に増やしているようです。

日本政府に対しブドウの輸入における品種制限の撤廃を要請し、7月に実現。ベトナム政府とは今月、新たな農産物取引で合意し、オーストラリア産プラムの輸出が開始されます。また中国政府とはリンゴの輸出の協議が進行中とみられています。

羊肉の協定国への輸出割合はこれまで約7割だったのですが、UAEとの協定が締結されれば上昇するとみられ、最近何かと政府と対立することが多い全国農業者連盟も、称賛するコメントを発表しています。

翻って日本はどうでしょうか。今週付の「オーストラリアで始める農業ビジネス!」の指摘にもあるように、質の高さに定評がある日本産食品や農産物。オーストラリアはすでに米国や中国の果物を輸入していますが、是非とも日本のみずみずしいブドウや甘いリンゴも入れてほしいものです。(編集長)

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