普通が好み
友人宅に向かって歩いていると、中東系の男性が筆者が持っていたスイーツ店の箱を指し、その店はこの近くかと聞いてきた。店は自宅からの道中にあり、そこで手土産を買ってきたところだ。男性によると、その店は中東系スイーツの有名チェーンらしい。確かに店にはシロップがたっぷりかかった見慣れないスイーツが並んでいた。
男性はそのまま中東系スイーツについて熱心に語り始めた。「店の近くに住んでいるなんて君はラッキーだ」とも。男性の勢いにつられ、なぜかこちらの相づちにも熱が入る。会話が割と盛り上がったところで、「で、君は何を買ったの?」と聞かれた。
あれだけ調子よく「へえ、おいしそう!」などと返していた手前、「ケースの端に申し訳程度にあったどこにでもある普通のケーキ」とは言えなかった。(猫山)
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