湖城の窓から「政府の支援は無用の長物?」
先週のトップ記事で、オーストラリアの乳製品輸出シェアが世界5位に転落したことを取り上げました。オーストラリアのシェアは、2021/23年度に4.7%で前年度の4.8%から縮小し、一方で4.5%から5.3%へ拡大した英国が4位にランクアップしています。
そんな英国ですが、さらなる拡大を目指し政府が酪農業界に100万英ポンド(1英ポンド=約186円)を投入することを決めました。英酪農業界は支援を歓迎し、「政府との緊密な協力が輸出を促進する」とのコメントを出しています。
一方、オーストラリアの酪農関係者は、多くが政府支援を忌避しています。先日取材した業界団体の代表は、欧州連合(EU)との自由貿易協定について、「欧州は最も政府の補助金を得ている地域」と非難し、交渉決裂を歓迎。一方で自国政府に対し支援を求めることを潔しとしません。別の幹部も「政府の支援は環境保護に限定し、ビジネスは市場原理に委ねるべき」と強調しています。
1980年代以降、かつての政府の保護下から自由化・規制緩和が徐々に進んだオーストラリアの酪農業界ですが、2000年代に政府の支援が終了した途端に、業界を去った人たちが多数いたそうです。業界規模は縮小し、牛乳の生産量もそれ以降減り続けています。
そのことを知る業界幹部らは、政府の介入を無用の長物として捉えているように思えます。(編集長)
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