炎の花の実

オーストラリアの春の花と言えば、紫色の花を咲かせるジャカランダだ。とはいえ、同じ時期に花を付けるゴウシュウアオギリも気にいっている。当地では「イラワラ火炎樹」と呼ばれ、真っ赤な花はジャカランダと並ぶと対照的で、目に飛び込んでくる。

ゴウシュウアオギリは、桜の木のように花を散らした後に葉が青々と生い茂り、黄色い実が入った大きなサヤが鈴なりにぶら下がる。前々から、この実が食べられないかと思いつつ、実が落ちたら忘れての繰り返しで、いつの間にか10年以上が過ぎた。ただ、植物の実の意外に多くは毒を含み、食べられると考えるべきではないと戒めてきたのが理由でもある。

ただ、ようやくその気になって調べてみたところ、先住民は実を生や火を通したりして食べていたようだ。食べられるめどがついたものの、現在落ちている実はとても食べられそうにないものばかり。来年には食べられることも忘れて、また同じことを考えそうな気がする。(欣達)

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