第28尾「Blackspot tuskfish (シロクラベラ)」

今回は、たまたま市場で売っていた鮮やかな色合いの魚を紹介します。これは日本では全く見かけず、一見すると、魚の専門家でも何の魚か判別しにくいのではと思います。しかしこれは、特徴的な顔に走る青いアイライン、体形、生息地域などを見るにつけ、ベラ科の「シロクラベラ」の仲間ではないかと思います。

蒸し料理にしてもよく合います

沖縄以南の海域や、オーストラリア西岸や北西岸のサンゴ礁に生息しており、日本では「マクブ」とも呼ばれます。入手したのは大体35センチくらいですが、大きいものだと1メートルになるものもあるそうです。

シドニーで9月中旬頃に、キロ約15豪ドル(1豪ドル=約95円)と比較的安価で売られていたので、さほどおいしくないのではと思いましたが、甘しょうゆをかけた中華風蒸し魚にして食べてみると、きれいな白身は骨離れがよくてフワフワとしており、なかなかどうして非常に美味でした。

それもそのはず、沖縄で獲れるシロクラベラは特産魚として「沖縄3大高級魚」のひとつとされる高級魚。筆者が食べた魚も、それに近い味だったのではないかと思います。

今回は鮮度が疑問だったので刺身にはできませんでしたが、是非次は新鮮なものを入手して捌きたいと思います。(西原哲也)

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投稿者プロフィール

西原哲也
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役