新世界ワインの発祥地を訪ねて②ブランドを守る工夫
ワインの人気は発祥国だけでなく、アジア各国・地域でも近年急速に高まっています。オーストラリアからは特に中国向け輸出の成長が目覚ましく、オーストラリアの政府機関、ワインオーストラリア(Wine Australia)によると、2016年の同国への輸出額は5億2,000万豪ドル(1豪ドル=約87円)と、第2位の米国(4億5,800万豪ドル)を大きく引き離しています。
日本はオーストラリアワインの第10位の輸出先となっており、年間の輸出額は4,500万豪ドルほどです。ペンフォールズの販売元でオーストラリアのワイン醸造大手トレジャリー・ワイン・エステーツ(TWE)も日本に進出しており、ウェルス編集部の取材に応じてくれました。
ペンフォールズをはじめとしたオーストラリアの高級ワインは日本で長年人気を集めているそうです。日本のペンフォールズ愛好家に向けて、昨年7月に東京でビンテージワインのコルクを打ち直す作業「リコルク」のイベントを開催したところ、70年代ビンテージを持って訪れた参加者もいたそうです。
TWEはペンフォールズをはじめとした同社製品の具体的な販売目標は設定していないとのことですが、サッポロビールなど日系各社と提携して今後も日本での販売は拡大していくそうです。
通信技術が発達したおかげで、小規模な業者でも幅広い層の消費者に輸入ワインを販売することが可能になった一方、市場に出回る偽物の数も年々増加傾向にあります。そのため、各社は様々な偽物防止策を講じています。
マギル・エステートを取材した際に対応してくれた現地スタッフのポールさんは、同ワイナリーでは偽物を防止するため高級品には特別の浮き彫り細工を施したボトルを使用して偽造を困難にしていると説明してくれました。また、ペンフォールズの空ボトルをゴミ収集所から盗み出して違うワインを詰めて販売するという犯罪も横行しているため、ボトルを処分する前にラベルを削り取ったりもするそうです。年々巧妙化する偽造の手口に対抗するため、製造各社も万策を講じて対応しています。(ウェルス編集部・松本菜美)
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