新世界ワインの発祥地を訪ねて①SA州ペンフォールズ
農業大国オーストラリアは牛肉、乳製品だけでなく、ワインの世界有数の産地でもあります。欧州や北アフリカなどで生産されるワインは「旧世界(Old World)ワイン」と呼ばれる一方で、オーストラリア、北米・南米、南アフリカなどで生産されたものは「新世界(New World)ワイン」と呼ばれています。オーストラリアは新世界ワインの代表国として、高品質なワインを世界各国に送り出しています。
今回の特集では、オーストラリアに数多くあるワインの中でも、歴史が深く、品質が高いことで知られる、南オーストラリア(SA)州発祥のペンフォールズを製造しているワイナリーの一つ、「マギル・エステート・セラードア(Magill Estate Cellar Door)」を2回にわたって紹介します。
ペンフォールズ・ブランドの「グランジ(Grange)」や「ビン(Bin)」シリーズは、オーストラリア国内だけでなく、アジアでも高い人気を博しており、偽物が大量に押収される事件も発生しています。
マギル・エステートはイギリスから移住してきたペンフォールド夫妻が1844年に立ち上げたワイナリーで、アデレード中心部からバスで20分ほどとアクセスがよく、一流ワイナリーにしては珍しい立地です。現在でも小規模のシラー種の畑を管理し、この畑で収穫したブドウは、同ワイナリーオリジナルのマギル・エステート・シラー(Magill Estate Shiraz)や、ペンフォールズの代表格、グランジ・シリーズの一部に使用されています。
敷地にはワイン畑のほかに、レストラン、喫茶店、試飲室などがあり、ペンフォールド夫妻がワイナリーを立ち上げた時に生活していた小屋が、当時のまま畑の中に展示してあります。この小屋は予約制で見学ができます。ペンフォールド夫妻の夫、クリストファー氏は医師で、アデレード中を馬車で回診していたため不在のことが多かったそうです。そのため、メアリー夫人が主にワイナリーと従業員を管理しました。マギル・エステートを訪れた際には、小屋を見学して当時の様子を楽しむことができます。(ウェルス編集部・松本菜美)
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