第200品 CUBのビクトリア・ビター
第200品目の今回は、ほとんどの気取らないパブや、全ての酒販店で売られている老舗ブランドビール「ビクトリア・ビター」を取りあげます。緑と赤の地に大きくVBと表示されているキャッチーなラベルは、ビールを飲まない人でも、目にしたことがあるはず。
ラグビーリーグや、クリケットの代表チームのスポンサーにもなり、オーストラリアを代表すると言ってよいブランドです。
ただ、実際にはVBブランドを保有していた醸造企フォスターズは、2011年に英SABミラーによって買収され、さらに16年には、あのバドワイザーやコロナを有するベルギーの世界最大手、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)が、SABミラーを買収しています。厳密にはオーストラリアの企業ではないのですが、自国ブランド好きの国民性と高い露出度が相まって、根強い人気を誇るのでしょう。
このビールは、1854年にスコットランドから移住したトーマス・エイトキン氏によって醸造されたのが最初で、現在はメルボルンのカールトン&ユナイテッド・ブルワリー(CUB)が製造しています。ビクトリア州とタスマニア州のホップを原料とし、麦汁の味わいが強く、ボディがしっかりとしているラガータイプです。アルコール度数は4.9%ですが、2007年には節税対策で4.8%になったこともありました。一瓶(375ml)で、約4豪ドル(1豪ドル=約75円)です。
昨今はクラフトビールやジン、スピリッツの人気に押され気味、パブで観察してもVBを好んで飲むのは比較的年齢の高い、オジサン世代のような印象も受けますが、これからも古き良き時代の素朴さを継承して欲しいものです。(尋助)
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