トンビに油揚げ
オーストラリア・スレドボのスキー場。春スキーとはいえ、やはり寒い。揚げたてのドーナツを売っていたので買った。ベンチに座って一つ平らげ、さて2個目を、と思ったら、横に置いたはずの袋がない。近くにいたカラスと目が合った。やられた。だが、カラスがドーナツを食べた形跡はない。見るとベンチの下に袋ごと落ちていた。袋からドーナツを出し、カラスに投げてやった。
以前、シドニー市内サーキュラーキーのベンチに座り、フィッシュ&チップスを食べていた時のこと。魚フライをフォークに刺して持ち上げた瞬間、バサバサという音がしたかと思うと、手からフォークが消えた。カモメにフォークごと持っていかれたのだった。
夏目漱石の門下生でもあった寺田寅彦の『とんびと油揚』という随筆の書き出しに、「とんびに油揚をさらわれるということが実際にあるかどうか確証を知らないが」とある。寺田先生、カモメに魚フライをさらわれた男ならここにおります。(城一)
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