ブランド化できない?
オーストラリアの農業が、ワーキングホリデーで滞在する外国人の若者労働者に支えられている側面があるのは認めざるを得ないだろう。彼らがいなければ、農産品の小売価格は跳ね上がるかもしれない。
だがそれと引き替えに、オーストラリアの農業が失っている側面があると感じている。スーパーで売られる農産品がブランド化されず、平凡化してしまっているということだ。例えば最近なら、シーズンのイチゴは店頭に山積みになって売られているが、いずれも酸味が強いものばかりで、イチゴはどの店で買っても同じと言わんばかりだ。
これが日本ならイチゴといっても千差万別で、福岡県の「あまおう」、静岡県の「あきひめ」、岐阜県の「美人姫」など、甘さや大きさなどに特徴がある高級ブランドとするのに成功している。
オーストラリアにそれができないのは、農業従事者は経験やノウハウが蓄積しにくい短期労働者ばかりだからということもあると思われる。(西嵐)
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