嗚呼、サバ缶

だれにも幼い頃から植え付いた大好物のB級食品があるが、筆者も「サバの水煮缶」には目がない。多めの大根下ろしと紅ショウガを乗せて、しょう油をかけてあえ、熱いご飯と一緒に食べる。これにはどんな手の込んだ高級料理も及ばない、と個人的には固く信じている。

オーストラリアでは、あまたある韓国・中国系食料品店でかなりの割合で日本の加工食品が入手できるが、どういうわけかそうした店ではサバの水煮缶はまず売っていない。そこで、日系の食料品店で常時買いだめすることになるのだが、日本では100円程度のものなのに、オーストラリアでは約3倍の3・5豪ドル(1豪ドル=約93円)ほどもするので、ためらってしまったりする。

こうなったらオーストラリアにサバの水煮料理を紹介してファンを増やし、地元水産メーカーに作ってもらい、大手スーパーで売ってもらうしかない。しかし、そこに至るまでにいったい何百年かかることやら。(西嵐)

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