第32回 スーパーフード「抹茶(matcha)」に脚光、米ブランド売り込むタニアさん
シドニーで今月に開催された、国内初となる有機(オーガニック)、自然、健康食品専門の展示会「ナチュラリー・グッド・エクスポ」。そこで出会ったのは、日本の抹茶にほれ込み、全米ナンバーワンブランドの日本産抹茶である「道抹茶(D~Matcha)」をオーストラリアに広めようと奮闘するタニア・アフォスリース(Tania Aafos-Rees)さん。抹茶との出会いを早速聞いてみた。
タニアさんは、健康食品などの販売やブランド構築などを行うオーストラリアのデビラ(Devirra)・グループのディレクターとして同展示会に参加。同社はDōMatchaだけでなく、同じく米国発の完全菜食主義(ビーガン)食品ブランド「katefarms(ケイトファームス)」についても、オーストラリアとニュージーランド(NZ)での販売権を獲得している。
現在はすっかり遠のいているそうだが、タニアさんはクラシック音楽のオーボエ奏者でもあり、オーケストラでも演奏した経験がある。現職に就くまでは、音楽経験を生かして20年以上音楽出版業界で働いていた。祖母が欧州発祥の代替医療「ホメオパシー(同質療法)」の医師であったこともあり、昔から体に良い食品などに関心があったという。自身が今後もテーマとして大事にしたいと考えているのは、心身の健康を豊かに保つ、音楽と栄養との組み合わせ「ミュージック&ウェルネス」だという。
■抹茶で豊かな生活を
「音楽が心の癒し、栄養となるように、体に良い食品を提供したい」と思っていたときに出会ったのが抹茶だ。世界を旅する中で、コーヒーに代わる飲み物を探していたときに口にしたのが始まり。味が好きになったこともあるが、抗酸化作用など、健康や美容に良い「スーパーフード」であることに驚いたという。しかし、シドニーで手に入る抹茶の質に満足できなかったタニアさん。米国で一番人気の抹茶ブランドDōMatchaに出会い、その品質の良さからオーストラリアとNZでの販売に踏み出した。ネット販売を7月から開始予定で、店舗での販売先は開拓中という。
DōMatchaの名前は、抹茶を通し、健康で豊かな生活を送れる「道」を提供したいとの考えに由来する。1891年に日本で事業を開設した外資系商社アンドリュース・アンド・ジョージ商会の4代目、ジョン・ハリソン氏が、京都の宇治で350年以上の歴史を持つ抹茶製造会社、松北園と出会い、誕生した。現在はアドバイザーとして名門、繁田園の繁田和則氏を迎えており、品質は折り紙つきだ。
■目指すは高級コーヒー豆
DōMatchaは100%日本で生産されたもの。オーガニック抹茶は京都の宇治で製造されている。タニアさんは、抹茶の味がよく分かるとして、湯を入れてかき混ぜる伝統的な飲み方がお気に入りだが、アーモンドミルクを入れた「健康飲料」としての抹茶も発信している。アーモンドミルクを使う理由はアルカリ性で混ぜた後の品質が安定することや、抹茶の持つ健康効果を最大限に高めるためという。実際、展示会でのバニラとシナモン風味の試飲には人が集まっていた。
今後の目標としてはまず、DōMatchaの認知度を高め、コーヒー豆の高級ブランドのようになってほしいという。「抹茶を扱う食品や店が増えたが、『DōMatchaを使っている』ことで人が呼べるようにしたい」そうだ。来年はハリソン氏や繁田氏をシドニーに招いて、DōMatchaのプロモーションイベントをしたいと考えている。
「伝統を尊重しながら、気軽に楽しめるおいしい抹茶を届けたい」というタニアさん。ブースを訪れる人に、「飲めば良さが分かる」と熱心に試飲を勧める姿にDōMatchaへの信頼と自信があふれていた。
投稿者プロフィール
最新の投稿
企画・特集2019年7月19日パースで暮らす 最終回
企画・特集2019年6月21日第44回 オーストラリアで料理、計量について知っておきたいこと
企画・特集2019年5月17日第43回 海外にいても、ゴマは家庭料理の必需品─いりごまの作り方
企画・特集2019年4月18日第42回 ココナッツオイルで甘辛焼きうどん


