ポッサムの跳躍力

この欄で以前、自宅にある猫の額ほどの庭で育てたカブがポッサムに食べられたことを書いた。

最近、夜中にふと庭を見た時、2匹のつがいのポッサムがわが家の塀の上を歩いているのを見つけた。月夜に照らされて浮かび上がったその輪郭はなかなか大きなもので、予想以上にしっぽが長い。カブを狙っているに違いない。そこで、そばにあったサンダルを投げつけたところ、「仕方ないから去ってやる」というように物憂げながらも、すばしこく付近の木々に飛び移っていった。

ポッサムは動きがのろい、という印象があったので、その俊敏な跳躍には心底驚いた。しかも飛び移った木の枝は、いかにも折れそうなほど細い。そんな木の枝を飛び移るしなやかさにも思わず見とれた。

カブは、小さいままとっとと収穫した。その日から荒れ放題になっていく庭を、今後どうすべきか戸惑っている。(西嵐)

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