カレーと記憶
急にインドのカレーを食べたくなった。カレーの辛さで水をがぶ
がぶ飲み、汗を拭きながらナンをほお張る。まだ学生のころ、中東で食べたインド料理が実においしかったのをまた思い出したからだ。
インドカレーを食べながら、ふと、そういえばインド人は手で食べていたことを思い出した。そこでスプーンを置き、われも手でと真似してみた。「口だけでなく、手でも味わうことが料理の最高の食べ方だ」と、どこかで読んだ文句を言い訳のように家人に説明して。
手の中には、おにぎりには決してなってくれないようなパサパサの長粒種米。指の間からポロポロとこぼしながら、口の中にぎこちなく運ぶ。その手の感触で、そういえば確かこんな食べ方をしていたことがかつてあった、と気が付いた。よみがえったのは、幼いころの感覚
だった。(西嵐)
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