湖城の窓から「農相の評価」
昨年7月に農業相に就任し、半年が経過したジュリー・コリンズ氏に批判が集まっています。「農業生産者と正面から向き合っていない」というのが批判の内容です。
農業界の目下の課題の一つは生体羊の輸出禁止。影響を大きく受けるのは西オーストラリア(WA)州ですが、同相がWA州を訪問したのは1度だけ。昨年後半から乾燥が続き「緑の干ばつ」が深刻化したビクトリア(VIC)州にも1度しか訪問していません。北部準州(NT)には1度も訪問していません。生体牛の輸出や養殖が盛んなのにもかかわらず、です。
農業界は「信頼関係の構築は密なコミュニケーションから」という昔ながらの価値観があるのも事実。各州の農業団体からは不満が漏れ始め、NTの畜産農家協会(NTCA)のエバンス代表は、「前職のワット農相とは良好な関係を構築していたが、現職とはそうではない」とコメントしています。
実際にワット氏は、生体羊禁輸問題だけでなく、インドネシア向け輸出牛の感染症問題でも陣頭指揮をとり、農産物の対中輸出やバイオセキュリティー税関係でもリーダーシップを発揮しました。
現在の農業界ではこうした問題が発生しておらず平穏無事だ、という見方もできるでしょうが、5月までに実施される連邦総選挙を控え、このままではコリンズ氏の評価は下がるばかりです。(編集長)
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