捨てられない調味料
オーストラリアに留学していた時のこと。晩御飯の支度をするホストファザーと話をするのが日課だった。様々な国の料理に挑戦しているというファザーの作る晩御飯をいつも心待ちにしていた。
筆者が日本の料理を振舞おうと考えていると話すと、笑顔を見せたファザー。楽しみだと言いながら、冷蔵庫の中を見せてくれた。中には中国語や韓国語が書かれた調味料の瓶が並んでいた。これまでの留学生が残していったものだという。他にもメキシコのサルサやインドのチャツネ、中東のフムス(ひよこ豆のペースト)など、国際色豊かな冷蔵庫だった。
素敵な料理だったと写真を見せ、嬉しそうに話すファザー。だが賞味期限が何年も前に切れた瓶の中身をそっと排水溝に流していた。使い方がわからず、かと言って捨てることもできなかったようだ。ファザーのやさしさにせめてもと、帰国の際には、日本の調味料とオージー向けのレシピを添えて置いていった。(胡唱)
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