湖城の窓から「説明不足」
酪農家の加工業者から受け取る生産者乳価の国際比較で、オーストラリアが第1位となりました。牛乳の生産量が、直近では回復しているとはいえ過去最低水準で、限られたパイを奪い合う加工業者の競争が激しいことが理由です。
オーストラリアでは、2020年に施行された酪農行動規範により、生産者乳価の契約は年に1回のみで、期中の引き下げは原則的にできなくなりました。16年にマレーゴールバーン(現サプート)がシーズン終盤になって突然価格を引き下げ、多数の酪農家が赤字に陥り業界が大混乱したことへの反省によるものです。
この仕組みは酪農家に安定をもたらした一方、輸出価格が下落基調の現在では加工会社にとって負担となっているようです。そのためサプートは今月、加工場の半数を閉鎖し牛乳の生産量に見合った規模に縮小すると決定しました。
この決定は経済原則に沿ったものですが、酪農組合は削減案がメディアを通して突然明らかにされたことを批判しています。サプートは現時点でも酪農家に詳細を明らかにしていないようです。業界の仕組みは整備されても、サプートの体質は変わっていないのかもしれません。(編集長)
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