第170回 La Rioja
「懐かしいワインを見つけた」と、わがパートナーが酒屋で買ってきたのはスペイン産ワイン「La Rioja」だ。なぜ懐かしいのかというと、このワインは彼の母国アイルランドで、当初最もポピュラーなワインだったからだ。ヨーロッパといえば、まずフランスワインを連想していたが、意外にもスペインワインの方が大衆受けしていたのだろうか。
早速、レストランに持ち込み、試してみた。アロマは豪州産の赤ワインの方が強い感じがした。口に含むとブラックチョコレートのようなやわらかいタンニンとリコリッシュ(甘草の一種で味付けされた菓子)に似たフレーバーがほんのり残る。「こんな味だったかな……」一口飲んだ彼がつぶやいた。「母国では気に入っていたのに、今は豪州産ワインの方がずいぶんとおいしく感じるよ」とこぼす。大抵の日本人がそうであるように、リコリッシュをおいしいと思えないわたしも、豪州産ワインの方が自分に合っていると思った。
よくよく考えてみると、2人とも母国ではそれほどワインファンでもなかったのだ。豪州に来て、ワイナリーめぐりなどをするようになってからワイン好きになった。そのような場合は、ワイン好きが開花された豪州のワインびいきになっても不思議ではないだろう。
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