第9回 人気急上昇の豪州産ワイン
蒸留酒・白酒(パイチュウ)や紹興酒の国、中国でワインの人気が高まっている。
上海市で今年開催予定のワイン展示会は、ネットで検索できる比較的大きな規模のものだけでも6回。これ以外にも、ワイン品評会やワインテイスティング会など、至るところでワイン関連のイベント情報を耳にするようになった。
ワイン専門店や大型スーパーなどのワインコーナーも増えている。友人宅を訪問すると、ワインが食卓に並ぶようになったのもここ数年のことだ。
■コスパの良さも重視
上海市内にあるフランスの小売り大手、カルフールで4月15~19日、ワインフェアが開かれた。ワイン売り場の店員によると、フェアは年に2回開催しており、毎回売れ行きは上々という。
同店で取り扱うワイン数は約1,000種類。同店はフランス系であるためか、フランス産ワインの品ぞろえが豊富。ただ店員は「売れ筋はオーストラリア産、チリ産、アルゼンチン産」と明かす。とりわけオーストラリア産は、比較的辛口で渋みの多いフランス産と比べ、口当たりがさっぱりしていて、フルーティなことから、ワインになじみのない中国人にも受け入れられやすいのだそうだ。
コストパフォーマンスの良さも、その大きな要素だ。店員によると、家飲み用としてよく売れるのは100人民元(1人民元=約17円)前後のワイン。贈答用としては、予算を高めにしてフランス産を選ぶ人がぐっと増えるものの、同3カ国産は同程度の価格帯のフランス産ワインと比べると、質の高いものが多い傾向にあるという。
ただ、上海市の業界関係者は「中国人に人気なのはフランス産」と断言する。

■輸入量トップはフランス
ワインの味が分かる人がまだまだ少ない中国では、「ワインと言えばフランス」というイメージが強く、ワイン入門者がまず手に取るのはフランス産。ところが、ワインの味をよく知る欧米人は、コストパフォーマンスの高いワインを選ぶ傾向にあり、「外国人が多く住む地域の店舗ではフランス産以外のワインも売れている」と指摘する。
中国の酒類の輸出入推進を手掛ける業界団体「酒類進出口商分会」によると、中国の2015年のワイン輸入量は前年比44.6%増の5億5,500万リットル。金額ベースでは20億3,900万米ドル(1米ドル=約106円)だった。
国別のトップはフランスで、輸入量は前年比33.7%増の1億6,700万リットル、金額ベースは41.3%増の8億6,700万米ドル。2位はオーストラリアで、輸入量は56.6%増の5,700万リットル、金額ベースでは77.8%増の4億4,000万米ドルと、1位とは大きな開きがある。
一方、1本当たりの平均価格でみると、オーストラリアが前年比13.6%上昇の7.76米ドルと、最も高いことが分かっている。上昇幅は多くの国々が軒並み下落する中、オーストラリアは唯一2桁の伸びを示した。同分会は「特にオーストラリア産ワインの平均価格は年々上昇しており、市場シェアは前年の18.1%から23.4%に拡大した」と分析している。
同年のワイン輸入量の3位はスペイン(輸入量:5,400万リットル、輸入額:1億1,200万米ドル)、4位はチリ(輸入量:4,900万リットル、輸入額:1億7,000万米ドル)、5位はイタリア(輸入量:2,300万リットル、輸入額:8,300万米ドル)で、以下は米国、南アフリカ、アルゼンチン、ドイツ、ニュージーランド─と続いた。(続)
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