第59回 体に良い食品を身近に!ホールフーズハウスのエリオットさん

「10月中旬くらいが一番青果が入りにくい時期」とエリオットさん
日本と比べ「オーガニック食品先進国」のオーストラリアだが、まだまだ発展途上のニッチ市場。しかし消費者の食への関心は確実に高まっており、オーガニック市場は成長を続けている。オーガニックやホールフードの食材を家庭に届けたいと、2007年に設立され現在シドニーに3店舗を持つこだわりのスーパーマーケット「ホールフーズ・ハウス(Wholefoods House)」のマネジングディレクター、エリオット・リカーズ(Eliot Rickards)さんに話を聞いた。
ホールフーズとは、そのまま訳すと「まるごとの食べ物」。魚であれば頭から尾びれまで、素材を無駄なく丸ごと食べることなどを意味する。体に良いとされる食品が多いことから、その後、新鮮で出来る限り加工を抑えた自然食品という意味も加わった。最近では食の安全が意識されており、不要な手を加えない「本物の食べ物」で、生産者のこだわりを色濃く反映するホールフーズは、健康だけでなく安心を求める消費者に受け入れられつつある。
エリオットさんは友人や家族とホールフーズ・ハウスを立ち上げる前、別のホールフーズ店で働いていた。健康的な食生活に関心の高い家族の影響もあったそうだが、エリオットさんが食材の大切さや食の重要さを知ったのは、実は仕事をするようになってから。その後、「機会が訪れた」(エリオットさん)ことをきっかけに事業を立ち上げた後、ロイヤリティーカードの導入などさまざまなアイデアを採用しながら、ビジネスの生き残りの分かれ道ともいえる、最初の2年間を乗り切った。

広さのあるローズベリーの新店舗
■強みは新鮮さ
健康志向の高まりでオーガニックやホールフーズの食材を売る店は増えているが、エリオットさんがこだわるのは「新鮮さ」。他の自然食材店で買い物を終えた客が生鮮品を買うためにわざわざホールフーズ・ハウスに来店するなど、消費者の評価は高い。実際、青果などプロデュース(produce)と呼ばれる生鮮品を担当するスタッフを他店よりも多く配置している。
販売する食材は、国内各地から調達し、味見をするなどして注意深く選ぶ。食材で人気があるのは青果のほか、オーガニックの肉、鶏卵、ナッツ類や穀物、乳製品、天然のサーモンなどだ。健康食として知られる日本食材も置く。場所柄もあるが、有名シェフや芸能人も食材を求めて同店を訪れる。
■顧客のパントリーに
ウォータールー、ウラーラに次いで今年5月にローズベリーにオープンした3店舗目は、来年計画するネット販売を見据えて広いスペースを確保。来店客が手軽に必要なものを手に入れることのできるパントリー(キッチンの収納スペース)のような存在になることをイメージし、ナッツなどを量り売りするバルクセクションを設けた。
料理好きのパートナーが作る手巻き寿司が好物というエリオットさん。ビジネスの成長は無理せず急がない方針だが、今後はホールフーズの良さが広まり、価格面などでもっと多くの人が買いやすくなればと思っている。
家族が日本通ばかりというエリオットさんだが、実はまだ日本を訪れたことはない。行きたい気持ちはずっとあり、東京はもちろん、写真で見た美しい日本の地方を旅してみたいそうだ。
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