第44回 豪で身近な乗馬、農業とのコラボイベントが初開催!
日本では料金が高いがオーストラリアでは手ごろに楽しめるスポーツと言えばゴルフだが、実は乗馬も身近なスポーツだ。シドニー中心部から電車で1時間強西に向かったところにある、ホークスベリー(Hawkesbury)地域で今年初めて開催された、3日間の馬術イベント「エクイン・ライフスタイル・フェスティバル(Equine Lifestyle Festival、ELF)」に出掛けた。
イベントを主催するのは、エクイターナ(Equitana)という馬術競技イベントを開催するエクイターナ・オーストラリア。エクイターナはもともとメルボルンとシドニーで毎年交代で開催していたが、数年前からメルボルンだけでの開催になっている。とはいえ、乗馬の盛んなニューサウスウェールズ(NSW)州は馬の産地でもあり、同州とのつながりが切れないようにと、シドニー周辺で企画されたのがELFだ。
「シドニーの食料庫」と称され、園芸農業の盛んな農業拠点ホークスベリーが会場に選ばれたのは、同地が馬の名産地であることと、シドニーから電車で行ける便利さ。エクイターナ・オーストラリアの広報を担当するエリア・ロムさんによると、NSW州で馬といえば、北部アッパーハンター地区での競走馬サラブレッドの飼育が有名だが、実はホークスベリーも知る人ぞ知る馬の有名産地だという。もちろん同地域での乗馬も盛んで、「馬の飼育施設や競技施設が充実していること、そしてシドニー中心部から電車で1時間強で行ける近さ」(エリアさん)が開催地選びで決め手になった。確かに、アッパーハンター地区の馬インフラは十分だが、出掛けるには車が必要で、シドニーから片道2時間は掛かる。

■農業・ペットとのコラボ
今回意識したのは、馬術競技者や関係者だけでなく、地元の家族がそろって一日を過ごせるイベント作り。シドニー中心部に近いオリンピックパークで開催する案もあったが、高い施設利用料や市街地への馬の輸送がネック。代わりにホークスベリーの既存インフラを最大限活用し、入場料金を抑えた。また、同地が農業拠点であることを生かし、地元の生産者が出展する「地元の食・ワイン村」を設けたほか、都心に近く趣味で農家をする人が多いことから、「ジョンディア」ブランドの農機の実演コーナーも取り入れた。
さらに、郊外でペットを飼う人が多いことを踏まえ、犬の調教師としてカリスマ的な存在のデビッド・グラハム氏をイベント大使に採用し、競技会やワークショップを連日開催した。
農業紙ランドを発行するフェアファクス・メディアと提携し、NSW州で趣味で農業を営む人や、小規模生産者にも宣伝を行った。「可能であれば、メルボルンの馬術イベントと重ならないよう、隔年開催したい」(エリアさん)そうだ。

■豪の人気種目にバイソン?
もちろん、ELFのメーンイベントはプロが参加する各種馬術競技。馬場馬術(ドレッサージュ)や障害馬術(ジャンピング)のほか、オーストラリアならではの人気乗馬スポーツ、「キャンプドラフティング(Campdrafting)」も行われた。
キャンプドラフティングとは、牛などの動物の群れから1頭を競技者が選び、その1頭を群れから引き離し、コースに沿って誘導する技術を競う。メリハリ良く、かつ迅速に行うほどポイントが高くなる。
今回のELFでは特別プログラムとして、牛の代わりに北米生まれのバイソン(野牛)を使う競技会「バイソン・キャンプドラフト」が開かれた。体が大きく活発に動くバイソンは、競技者のミスを見落とさないちゃっかりしたところがあり、競技者の技術向上にはうってつけだそうだ。
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