第1回 新年はヤングでスタート!
年末年始にさくらんぼの産地、ニューサウスウェールズ(NSW)州ヤング(Young)に出掛けた。表向きの収穫期は11月中旬~12月末だが、一大観光イベント「National Cherry Festival」(12月最初の週末開催)の前には収穫を終わらせてしまいたい、というのが農家の本音。稼ぎ時で人が足りなくなる前にと、多少実が若くても大半を収穫してしまうそうだ。ただ、ウォンバットハイツの果樹園では、前もって連絡すれば、さくらんぼを少し残しておいて、旬の時期のさくらんぼ狩りを楽しませてくれるという。今年はシーズンを逃してしまったが、それでもアンズや、3月までがシーズンのストーンフルーツ(核果)狩りが楽しめる。
ヤングはもともと羊と金鉱で発展した町で、1861年までは「Lambing Flat」という名前だった。雨風からよく守られた低地で水もあり、妊娠した雌羊を飼育するのに適した環境だったからだ。のどかな風景は34年続き、1860年に金が発見されると、たった1年間で、中国人約2千人を含む2万人もの採金者が押し寄せた。その後、中国人に対する欧州系採金者の不満が強まり、暴動に発展。町の汚名をそそぐ意味もあり、当時の州総督の名前に改名した。
現在は地域の人口1万2,500人で、地方で最も成長の速い町の一つ。町を歩くと、不動産やビジネス投資の広告の多さに驚く。ふと立ち寄ったカフェが数年前にNSW州と首都特別区で「ベストカフェ」に選ばれるなど、それまで持っていた田舎町のイメージが覆された。話をした商店主の多くが「子どもがシドニー(または海外)にいるから」と、グルメやアートを語る情報通だ。
休み中ということもあるが、3泊4日の滞在で、中国人とみられる団体客を3度見かけた。学生らしきグループもちらほら。ヤングには中国系移民の地域への貢献をたたえるための中国庭園があるほか、イースター(復活祭)の時期には中国の祭りも開催される。1年後、5年後、10年後と大きく姿を変えそうな町だ。
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