第40回 ネクタリンとチアシードでお手軽スイーツ

見た目もさわやかな夏のスイーツ

パースでは、季節によってさまざまな果物が手に入ります。特に夏の後半になってくると、モモやネクタリン、プラム、アプリコットなど、stone fruits(中心に大きな種が一つ入っていて、周囲に果肉がついているタイプのフルーツ)と呼ばれる果物が豊富に出回ります。

パースでは、モモとネクタリンは主に「ホワイト」と「イエロー」の2種類があります。日本では、モモは甘く熟れた状態でスーパーに並べられていることが多いですが、こちらでは固い状態で売られていることが多く、そのまま食べると甘みが無いことがあります。

フレッシュで甘い果肉を味わいたい場合は、まず、できるだけ傷みや虫食いのない、固いものを選びます。そのまま室温で保管すると、2~3日後に甘い香りがするようになります。触ったら少し柔らかさを感じるくらいだと食べごろです。ネクタリンも同様です。

オーストラリアでは、モモやネクタリンをスイーツに使うだけでなく、サラダに入れるのも人気です。今回は、今がまさに旬のネクタリンと、健康志向の人々から熱い注目を集めるチアシードのプルプルでプチプチの食感を生かした、お手軽ゼリー感覚スイーツのレシピを紹介します。

■ヘルシーで人気のチアシード

チアシードは、オーストラリアでも「スーパーフード」というキャッチフレーズで、健康食品として人気です。オーガニック系食材のお店はもちろんのこと、普通のスーパーでもほぼ100%置いてあり、すっかり身近な食材という感覚です。ホワイトチアとブラックチア、どちらも手に入れることができます。

チアシードの栄養的な特徴は、オメガ3脂肪酸を18%含んでいること、また食物繊維を34%含んでいることです。その他にも、良質なたんぱく質と、カルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などの重要なミネラルを含んでいます。特にオーストラリアにはベジタリアンやビーガンの人が多く、チアシードは、通常は動物性の食品から摂取しやすいたんぱく質などを補給するための優れた食材であるようです。

■煮詰めて混ぜて、冷やすだけ

今回のレシピではイエローネクタリンを使います。その時々によって、ホワイトネクタリンやモモ(ホワイト、イエローどちらでも可)を使うこともあります。完熟のものを使ってもいいですが、少し香りがするくらいのまだ固いものでも良いです。

まず、ネクタリンは皮をむき、縦8等分にカットします。小鍋に果肉とローシュガーを入れ、ふたをして中~強火にかけます。だんだんと煮立って水分が出てきますが、もし焦げそうなら少し火を弱めて下さい。途中でそっとかき混ぜても良いです。そのまま7~8分煮詰めます。

その後火を止めて、水を加えます。100~150ミリリットルの範囲で、果肉が浸るくらいに調整して下さい。粗熱が取れたらボールにうつし、チアシードを入れ、果肉をつぶさないようにそっと混ぜます。冷蔵庫で数時間冷やしたら、器に取り分けて完成です。翌日でも食べられます。

イエローネクタリンを使うと程よい酸味が残り、コクのある甘さが味わえます。ホワイト系を使うと、夏らしいさわやかな甘さに。モモだとさらにジューシーで、暑い日のおやつにぴったりです。

 

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。